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No.0 木村ソウタロウ観察記

2024年12月のある日、ソウタロウはパソコンの前で体育座りをしていた。
何かパソコンで作業をしているわけではなく、腕と膝に顔をうずめて全く動かない。
寝ているように見えなくもないが一応おきている。
考え事に行き詰まるとよくこの姿勢をとっているのだが、たまに本当に眠っていることがあるのでよろしくない。

「木村ソウタロウOfficial website」に備わっている機能の一つエッセイ。
ここに何をどう書けばいいのかとソウタロウは悩んでいるのだ。
思いついた案を書き留めようと起動させたパソコンは、長く触れられなかったことでスリープモードになっている。
時刻は深夜1時。ソウタロウも寝てしまいそうだ。

動き出す気配がないので、ここで少し彼について紹介しておこう。
1999年12月5日、福井県にてソウタロウは誕生した。
生後数か月、静岡に住んでいたそうだがもちろん本人にその記憶はない。
その後、小学校2年生までを福井、小3から中3を富山、高校3年間を新潟で過ごした。
高校2年生の冬、幼い頃から憧れを抱いていた俳優になると決心し、大学進学とともに上京。
内気かつ心配性で田舎暮らしになれた彼は、都会での生活に悪戦苦闘しながらどうにか順応していった。

上京してからもうすぐ7年、部屋の中央で静かに座っていたソウタロウは大きなため息をついた。
気だるそうに立ち上がり洗面台へと向かう。
考えるのを諦めて歯を磨くことにしたらしい。
歯ブラシを口にくわえて戻ってきた彼は、ベッドに胡坐をかいて座った。
歯磨きは好きらしく、いつもそこで10分ほど入念に磨いている。熱心に歯垢を落としていると、アイディアも一つ、ぽろっとこぼれ落ちてきた。
(三人称…自分自身の観察…)
 ソウタロウは洗面台へと向かい急いで戻ってくると、先ほどまで眠っていたパソコンを起こして次のようなことをメモした。

  • 観察記
  • 三人称視点で自分のことを書く
  • 些細なことから大きなことまで自由に書く
  • 投稿する順番は時系列に沿っていなくていい

素直に自分のことを自分で語らずに三人称視点で書こうとする、ソウタロウはひねくれたところがあるのだ。
満足げにメモを見つめたところで、時刻は深夜2時。
ひらめきとともに冴えわたった頭は再び眠気に襲われていた。
パソコンをシャットダウンし、ソウタロウもベッドにもぐりこんだ。
一回目の投稿では今日この日のことを書くと決めて、彼は眠りにつくのであった。

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